ニセ予言者に気をつけろ。 | ひとりごと | 心理カウンセラー 衛藤信之 | 日本メンタルヘルス協会

えとうのひとりごと


■ニセ予言者に気をつけろ。
2000年5月25日
 長いトンネル。先は見えすぎるほど見えるトンネル。人は先に明かりが見えれば今の暗闇に耐えられるけれど。ずっと先をのぞき見て、暗闇が続くだけなら歩くことを止めてしまうだろう。

 子供達が大人を通して見る世界は、あきらめと、ため息の世界。ならば夢を持てと言うのは酷なこと。希望を持てと語る大人たち。でも、あなた達が彼らの未来の輝きなのではなかったですか。テレビなどのメディアは世の中の裏側までも、いつも見せつける。       
そうさ「世の中なんてこんなものさ」と。「しょせん頑張ても人間なんてたかがしれているのさ」と。  
 子供の瞳からまた光が消えて冷めてゆく。人生をすべて見えた気になる若い予言者たちよ。
その予言はどこからきたの? そうだね、君達に夢を持てと言う大人からだったよね。

 塾帰りの子供たちが乗り込む車内は不機嫌な大人たちの吹き溜まり。何のためのお勉強。「そう素晴らしい未来のためなのにね」人生半ばの駅で途中下車した子供達よ。誰も教えてくれなかったね。見えないほうがずっといい。それが希望なのだと。

 末は博士か、大臣か。見えない時代は、走れたね。竜馬も、西郷さんも見えない明日を創るために。見えない結婚生活はよかったね。不倫も離婚も遠い国のお話しだった頃。
大人になるのがロマンだった頃、子供の未来は輝いていたね。

 未来を見せつけられた子供たちよ。ニセ予言者に気をつけろ。ウソつき大人たちを越えてゆけ。せめて、僕は、いつもガハハハ・・・と笑っているから。そんな大人もいるのだから。

 子供の自殺のニュースを見るたびに、反省するは我にあり。
 誰かの責任にするまえに今日あなたは笑っていましたか。
 熱い希望を瞳に宿して電車に乗っていますか。
 ため息を吐きませんでしたか。
 大人のあなたへ、明日に希望を持っていますか。

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